思いと一緒に塗り上げた。

1995年に出逢い、
当時、仙台市の上杉にあった「スペースen」
小野ようこさんが作ったその店で
四半世紀くらいになるだろうか、
私は菓子で表現をさせて頂いた。
マドレーヌネコ.jpeg
一年を通して店に菓子を納め、
さらに特別大きな目標だった
「お菓子展」という取り組みをしてきた。
初めの何年かは年に2回、
そのDMの葉書は
手元に残っているだけでも
30回分以上あった。
懐かしいDM②.jpeg
毎回作るDM葉書の構想とデザインからが
「お菓子展」の始まりで、
毎回ベストを尽くした。
「今回が今までで一番、最高のでき!」
毎回、そう思った。
小野ようこさんと作り、
小野幹さんが撮影した。
初めの何回かは小野紳(オノシン)撮影で
彼がNYに拠点を移してからは
小野幹さんが撮影してくださった。
クローバーと光の具合.jpeg
菓子は今と変わらず
当時も私ひとりで全て作ってきたけれど、
小野さんの作り上げた、あの「場所」で、
小野さんの居ずまいがあってこその表現だった。

その、小野ようこさんと
ご主人の写真家 小野幹さんが旅立たれた。

小野さんと出逢わなければ
今の私の表現も生き方も違うものになっていた。
出逢ったから
できた、と思う。

ありがとうございました。

小野さんとお別れをし、
数えきれない思い出が駆け巡っている。
芸術的なこと、心構えのこと、
やりたいことならとことんやってもいいことへの
寛大さと、厳しさを教えて頂いた。

私も青根の森の中に居場所を移してから
8年に入った・・・・
時には過酷な自然の中での暮らし
年季の入った、道案内の赤い看板を
作り直すことを
新しい「赤い色」を載せていく作業を
今日は、やっている。
駆け巡ってくる思いと一緒に塗り上げた。

心からご冥福をお祈りします。
看板.jpeg
塗り上げた看板.jpeg
※Instagram
 @studio.fahren

※次回の営業は6/15、16(土・日)です。

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